「思考のコンパス」~山口周著、PHPビジネス新書刊~

【20211114-8-48】
本書のタイトルに込められた、"このように予測が難しい世界を生きていくために、私たちには何が必要なのか?”という命題に対して、それは"地図”ではなく、"コンパス”だというメッセージは魅力的だ。私たちは昭和の長い成長神話の中で、言われたことを言われたとおりに生真面目にやっていさえすれば、将来の幸せも約束された時代を生きてきた。しかしこの慣性が今も効きすぎていて、人口が減少し量的成長を求めることが正しい方向性ではなくなっている現在でも、正しい"やり方”の模索に固執し、未来の意味ある"在り方”を考えることに怠惰なままだ。だからこそ、人が生きる目的は何か、企業が成長する目的は何かを考え直すこの時期に、霧の中でも使える思考のコンパスとして『自由になるための技術~リベラルアーツ』(https://nejimakidoritutui.seesaa.net/article/202103article_4.html)と併せて本書を読むことは、意味がある。


【読書メモ】
「現在のように状況が目まぐるしく千変万化する世界において、地図の情報はすぐに古くなってしまって役に立たないからです。このような時代にあって必要なのは、常に進むべき道を指示してくれる『思考のコンパス』なのです。」(p.3)

「複雑で曖昧な状況において、その人らしい決断ができることを『教養がある』と言うのです。」(p.21)

「人間の歴史は、情報化の時代と身体化の時代がらせん状に繰り返されています。~中略~文字の伝来は当時としては完全なIT(情報技術)です。本人がいなくても話が伝わるというイノベーションが起こった。(p.79)

「世の中全体を見ようと思ったら、塀の上に立つしかないんです。」(p.98)

「不確実性がある程度あるからこそ、自分や他人に対する寛容さが生まれ、社会を形成しています。」(p.123)

「私たちが頭の中で想像したより良い世界との比較によって初めて、『現在』が改善されるべき世界になるということです。」(p.148)

「やりたいことが見つからない人は、移動距離が短いのだと思います。」(p.152)

「時代が人を作り、価値観をつくる。いまや完全に人口減少に転じてしまったから、再び行動パターンも変わっていくと思います。昭和のやり方では、もはや立ちいかない。まさにターニングポイントに置かれています。」(p.205)

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